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「まだ」という力:第1部-成長マインドセットの育成で学習方法をどのように変えることができるか

最近、教育の分野で「成長マインドセット」という用語が飛び交うのを聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、その本当の意味は何でしょう?学習について子どもたちに話すときのやり方ですが、、どのようにすれば子どもの考え方を変え、可能性を最大限に引き出せるようにしてあげられるやり方にできるでしょうか?

成長マインドセットとは?

「成長マインドセット」対「硬直マインドセット」という概念は発達心理学者でスタンフォード大学教授のキャロル・ドゥエックが最初に提唱したものです。その後この考え方は、さまざまな分野の親、教育者、アーティスト、アスリート、および専門家の間で人気が爆発しました。しかし、その正確な意味とは何でしょうか?

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この概念は、人が自身の学習を形作る方法について心理学者たちが綿密に調べるようになって広がっていきました。神経可塑性、または脳が変化して新しい経験に適応する能力に関連する研究が明らかになり、ドゥエックは画期的なことに気づいたのです。つまり、多くの人が思い込んでいたのとは異なり、知性とは固定した不変の性質ではないということです。

脳内経路は非常に順応性に富んでいます。必要に応じて接続を変更、適応、強化する潜在力を持っているのです。実際、私たちが気づくかどうかに関わらず、脳は毎日これを行っています。習慣の繰り返しや意見の形成など、同じ思考プロセスに従うたびに、脳内の特定経路が強くなっていきます。ところが、何かで私たちの思考プロセスが変化させられると、新たな経路が作成されます。すると古い経路は使用されなくなって弱くなり、もっと多くが成長する余地が生まれます。

たとえば、子ども時代に住んでいた家のことを思い出してみてください。そこに住んでいたころは、おそらくどこに何があるか、すべてわかっていたでしょう。たとえばキッチンの戸棚です。とくに考えなくても戸棚の目当ての場所に行き、朝食やお弁当を作るのに必要なものを見つけることができました。その脳内経路は、使われるたびに強化されていたのです。しかし新しい家に引っ越すと、脳は新しいキッチンの戸棚をナビゲートする新しい経路を作り出さなければならず、古いものは次第に新しいものに取って代わられるのです。

もし今子ども時代の家に戻ったら、キッチンのものすべてを見つけられるでしょうか?住んでいなくても時おり訪れていたら、言いかえれば、その脳内経路がまだ使用中であれば、多分できるでしょう。そうでなければ、おそらく無理でしょう。脳はそのプロセスを無効にしてもっと役立つことのための余地を作ったからです。

このことは、学習に関して心躍る意味合いを含んでいます。つまり、学習プロセスで使用される経路の強化を選択すれば、このプロセスを自身で意図的に刺激できるということです。知性を深めるために、自分の脳を訓練することが実際に可能なのです。

 

すてきですね?では、このすばらしい力をどうすれば活用できるでしょうか?

Credit: iStock Photoそれは、私たち自身の思考の理解の仕方を調整することです。神経可塑性に関する新たな研究を踏まえ、ドゥエックは人が学習について考える方法には二通りあると判断しました。成功や失敗は、変えることのできないものに起因するという考え方をドゥエックは「硬直マインドセット」としています。もうひとつは、与えられた課題につぎ込む努力がその結果に直接影響するという認識ですが、これが「成長マインドセット」です。

言いかえれば、脳内の学習経路を強化し適応させることができると信じているかどうかということです。信じていない場合、神経可塑性のプロセスは行き詰まり、新しい情報を習得するのが難しくなります。しかし信じていれば、新しくやりがいのあるアイデアを発展させる可能性、ひいては成長の可能性は無限となるのです。

硬直マインドセットの人は、大部分の状況を自分の力が及ばないと見ているのかもしれません。その人たちの考え方では、物事は自分たちが理由で起こるのではなく、降りかかってくるものです。英語のテストの成績が悪いと、硬直マインドセットの人は「自分は英語が苦手だ」と考えてしまいがちです。失敗を自身のアイデンティティと結びつけ、改善点を見つけるのが難しくなってしまいます。

一方、成長マインドセットの人は、脳の適応能力を認識しているので、悪い成績というのは単に学習経路強化への第一歩にすぎません。難しい学習状況にしり込みするのではなく、この状況を改善の機会ととらえ、こう考えるのです。「この次はもっと一生懸命勉強しなければ」

要するに、難問に直面したとき、硬直マインドセットの人は「できない」と言うのに対し、成長マインドセットの人は「まだ、できない」というのです。

ゲームベースの言語学習は、スコア、星、音によって即座にフィードバックを与え、子どもたちが良くなってきていることを知らせます。子どもは間違っても大丈夫だと感じ、あきらめなくなります。このゲームでは、車をさまざまな速度で組み合わせることでポイントが加算されます。徐々に課題を増やすことで、子どもは頑張り続けるように励まされ、成長マインドセットを身につけるようになっていきます。
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なぜこれが重要なのか

考え方を硬直マインドセットから成長マインドセットに調整するということは、学習のあらゆる分野で、向上の可能性を開くということです。そして大抵の場合、自分ができると思っていた以上の向上が見られます。

硬直マインドセットを持つと、成功のチャンスを大幅に狭めることになりかねません。硬直マインドセットの人は、すぐにあきらめがちで、挑戦することさえまったくしようとしないからです。「英語が話せない」と考える子どもは、「まだ英語を話す勉強中」と考える子どもに比べ、言語学習を投げ出してしまう可能性が高いのです。

アプリベースの言語学習なら、ゲームプレイに集中することで、子どもは「挑戦し続ける」ようになりやすいです。何度も挑戦して向上し続けることができるということを、子どもはわかっています。

成長マインドセットを持てば、まさにその成長の余地が生まれます。失敗は成功へのひとつのステップにすぎないので、失敗に対する恐れがなくなります。このため、「安全性の高い」ルートに固執するのではなく、創造的に考え、問題解決の新しい方法を試す自由さも生まれます。

実際、圧力がなくなると成長マインドセットの学習者は、達成に対する期待をはるかに上回ることができます。もともと低達成であったグループに対して行われた研究によると、成長マインドセットの原則が使用された教室は、自分たちよりも才能に恵まれた仲間を上回る成功を達成できました。多くの人が不可能だと考えていたことです。

そして、このマインドセットに変えることがメリットになるのは、苦戦している学習者だけではありません。成功を収めている学習者にとっても、自分の成果は運や生まれつきの能力というよりは、努力の賜物であると考えることは同じように大切です。すごいことを達成できたのは、単に自分がすごいからであって、一生懸命やったからだとか、基礎的なスキルの上に成り立ったものであると考えない子どもは、健全な学習習慣を身につけることが難しいかもしれません。

このような学習者は、自分が把握している「レベル」を超えて何かを達成しようと頑張る可能性が低く、要するに最大限の能力を発揮しないのです。そして、いつか必ず失敗に直面せざるを得ないのですが、その時に自尊心に悲惨な影響を受ける可能性があります。アイデンティティが学校での成功と非常に密接に結びついている場合、悪い成績から立ち直ることは簡単ではありません。成功を自分の力の及ばない何かであると認識している場合はことさらです。

 
この記事の第2部を読む-「自分の子どもは、どんなマインドセットなのか?」

 

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