幼い言語学習者の自律性

幼い言語学習者の自律性:自己決定理論の視点

生徒が学習するうえで内的な動機付けができるようにしていくことは、私たち教育者が抱える最も難しいことに数えられます。動機付けを確立する際の主要な心理的枠組みのひとつである自己決定理論では、動機付けに影響を与える3つの最重要条件である自律性、能力、関連性について詳しい説明をしています。このうち、最初に出てくる自律性とは、独立感覚と自発的な行動を指します。教師は教室という環境のなかで、生徒の自律性を育み、サポートするユニークな立場にあり、生徒が自発的で 内的に動機付けされた学習者になるために必要なスキルを身につけるようにします。

自律性支援とは何でしょう?

We need to facilitate student autonomy within the classroom, so that students feel a sense of ownership in their learning environment. Credit: iStock Photo.教育者がよく口にするのは、生徒が自立した生涯学習者になるのを手助けしたいということです。 言いかえれば、私たち教育者は子ども達に自力で知識を求める方法を学ぶように働きかけたいということです。これを効果的に行うためには、教室内で生徒の自律性を高め、置かれた学習環境のなかで当事者意識を感じられるようにする必要があります。そうしないと、生徒は「アカデミックバーンアウト(学問的燃え尽き症候群)」の犠牲になって、高校生になるころには意欲を失い、やる気を失ってしまうかもしれません。

どうすれば、教室内で自立学習をサポートできるでしょう?

私がやる、私たちがやる、あなたがやる

この指導法は、段階的な自律サポートを基盤とし、徐々に生徒を慣れさせて、最終的に完全に独立した学習に導きます。最初の段階「私がやる」では、生徒は、学習中のスキルを教師が実際にやるところを観察します。次に、「私たちがやる」で、教師はそのスキルを再び実演しますが、今回はそのプロセスにもっと積極的に参加するよう生徒を誘い、グループとして一緒に行います。最後のステップ「あなたがやる」では、生徒が自分でスキルを実際に行います。このモデルは、特に学習において高度な自律性にまだ慣れていない学習者に対して、自律性のサポートを進めるのに非常に効果的です。例をあげると、次のようになるでしょう。

  1. 「私がやる」 :教師が、名詞と形容詞の違いを確認します。次に黒板で、教師は形容詞が表現する正しい名詞と一致させるやり方を実際に行います。
  2. 「私たちがやる」:教師はまだ黒板で作業し、名詞と形容詞が正しく一致するように生徒に助けを求めます。クラス全体のスキルが強化され、思い違いが明確になります
  3. 「あなたがやる」 :生徒は自分の席に座って、単独、または小グループで同じ作業を完了させます。教師は、生徒が自律的に作業していることを観察し、必要があるときだけ、方向修正のために参加します。
Credit: iStock Photo

「私がやる、私たちがやる、あなたがやる」という指導法は、段階的な自律サポートを基盤とし、徐々に生徒を慣れさせて、最終的に完全に独立した学習に導きます。

生徒主導の活動

教師はできる限り、教師主導ではなく、生徒主導の授業や活動を支援するように努めるべきです。本当に自律的な学習者は、自身の学習の様々な局面において当事者意識を感じます。 そのような学習者の教師として、私たちはこの自由を提供することができるのです。あるテーマについて講義をするのではなく、生徒に独自の調査を行い、知識をクラスと共有するように求めましょう。プロジェクト、工作、お芝居なども、生徒主導の学習活動のすばらしい例です(そして非常にやる気を起こさせます!)。たとえば幼い言語学習者の場合、生徒に短いスキットや劇の形で独自のセリフを書かせて実演させることで、文法とスピーキングスキルだけでなく、自律性も促進させることができます。実演の高揚感や、自分たち自身で作ったというプライドは、生徒が学習における自律性を身につけるのに非常に役立ちます。

ゲームベースの学習

Games based learning

Studycatの言語学習アプリは、ゲームベースの学習を使用して、幼い子どもを夢中にさせ、動機付けを行います。

特に幼い学習者にとって、楽しさ以上に動機付けをしてくれるものがあるでしょうか?ゲームベースの学習によって教育的テーマに取り組むことで、生徒は遊びながら学習するだけでなく、自律性を養うことができるのです。教師として、この教育モデルにおける私たちの役割は簡単です。学習者がゲームをするのに必要なスキルを身に着けるようにしたら、あとはゲームをさせてあげるだけです!有効性が実証されているゲームの多くは、それぞれの教育目的に合わせて調整できます(昔からあるトランプのゲーム「神経衰弱」をアレンジしたものは私のお気に入りです。一致する短縮形のペア、動詞時制、品詞などを生徒に探させます)。自律性がさらに進んだ生徒の場合は、自分で復習ゲームを考案するように勧めましょう!生徒はゲームを何度も繰り返して遊び、スキルを強化することになるでしょう。さらに、真の意味での教育の独立性と当事者意識を伸ばすことにもなるのです。

自己決定理論が教室にどのように関わってくるか、もっと知りたいですか?幼い学習者にとっての関連性と能力に関する次の記事をお楽しみに!

Lou, N. M., Chaffee, K. E., Vargas Lascano, D. I., Dincer, A. and Noels, K. A. (2018), Complementary Perspectives on Autonomy in Self‐Determination Theory and Language Learner Autonomy. TESOL Q, 52: 210-220. doi:10.1002/tesq.403

Chatzisarantis, N.L.D., Ada, E.N., Ahmadi, M., Caltabiano, N., Wang, D., Thogersen-Ntoumani, C., Hagger, M.S. (2019), Differential effects of perceptions of equal, favourable and unfavourable autonomy support on educational and well-being outcomes. Contemporary Educational Psychology, 58: 33-43. https://doi.org/10.1016/j.cedpsych.2019.02.002.

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